好き好き不動産のブログ

不動産が大好きです。不動産のこと、ご興味があれば見てください。週末は趣味の競馬を楽しんでます。

お世話になったA先輩の話

以前、不動産仲介会社で働いていたときのA先輩の話です。

 

A先輩は誰に対してもが当たりが柔らかく、好感が持てるため、会社内の他の社員からもかわいがられる存在でした。

お客様からの信頼が厚く、週末になるといつも成約に向けての話を会社の接客ブースでしていて、毎月数件の契約を常に続けていましたので、営業成績も社内でもトップでした。

私がこの会社に入社して不動産の仕事を今まで続けられているのもA先輩がいたからといっても過言ではないぐらいお世話になった先輩です。

 

その先輩が会社を退職してからのことです。

 

B様から会社に連絡がありました。

その内容は「Aさんに依頼している物件を購入する件はどうなってますか、Aさんの携帯に連絡しているが連絡がつかなくなった」とのことでした。

そんな連絡を受けたのですが、社内のだれもが何のことかわからず、いったん電話を取った社員も調べてから折り返すことにしました。

 

その後、もう一度B様に連絡し、事細かく話を聞いていると、内容はこうでした。

 

Aにマンションを案内してもらい、気に入ったので購入したいので話を進めてもらっていた。

B様は自営業で住宅ローンの審査が通りにくいため、ローンの審査が通る銀行を模索するとAから言われました。また、ローンの審査を通すために通常のサラリーマンよりB様は時間がかかるため、その間に物件が売れてしまうといけないので、売買契約時に売主に支払う手付金をいったん申込金として売主に預けて物件を止めてもらうとのことで、B様はAに100万円を預けたようでした。

 

そこで、当時の会社の責任者が調べると売主に100万円を渡しておらず、A先輩が持ち逃げしていたようでした。

まず申込金を取ること自体が宅建業法上認められていません。B様を騙して100万円をとってますので、完全に詐欺事件です。

B様が訴えれば刑事事件になって、会社も業務停止等の処分を受けることになりかねない大ごとになっていたと思います。

 

ただ、B様は最後までA先輩のことを信頼していて「Aは悪くない、何かの手違いでしょう。」「100万円さえ戻ってくればもういいです。」と言っていたようです。

本当の詐欺師は恨まれないようです。

 

不動産業者の営業マンは住宅ローンのあっ旋をするために、お客様の預貯金、年収、借入等を把握する必要があります。このような内容をお教えいただくため、お客様の信頼を得ないと契約まで進めれないのも事実です。

お客様のご家族と非常に親密な関係になることもあり、それを逆手にとって騙す営業マンも少なからず存在します。

もしも不動産を取引を不動産業者に依頼する際にはこのことを思い出して頂ければ幸いです。

 

今、A先輩がどうなっているかは知りませんが、この他にもエピソードがありますので、また気が向いたらアップします。